「おはよ、のぞ」
「おはよー」
「じゃ、行こ」
今日もこうやって、りゅうくんが私の家にお迎えに来ては、手をつないであるく。
「でねー…」
「なんだそれ。(笑)」
「はははっ」
たわいもない会話をする。
そしたらほら。家から学校までそこそこ距離があるはずなのに、あっという間に着いちゃって。
「りっちゃーん!おはよ!!」
「結城おはよー。」
「「おはよー!」」
お、あ、あれ?(笑)
「あれ、りっちゃん達またハモったでしょ(笑)」
「ち、違っ!今のは結城が合わせてきて…」
「なんで合わせなきゃなんねーんだよー。」
なんだか最近、りっちゃんと結城が仲いい気がする。前はケンカしてばっかで、クラスではいじられてたけど、最近はお互い少しは考えれるようになってるというか。…まあとりあえず!いい感じ!(笑)♡
「ははっ」
「のぞ、ちょっとこっち向いて?」
「…うん?何?」
「のぞ顔色悪い?昨日ちゃんと寝た?朝食べた?」
「えー?希望がー?あ…言われてみれば。」
顔色悪い?ぜんっぜん元気なんだけど!
「寝たし食べたよ?元気まっくすだよー!」
「そっか、よかったよかった」
「のんちゃーん!体育委員の仕事!次のマラソン大会の走者決めるからー!」
「おっけー!今行くねー!みんな、また後でね!」
「はーい」
「がんば!」
「いってらっしゃーい」




《隆side》

ここんとこ最近、ずっとのぞの顔色が悪い。何かあったのか、聞いても何もない、いいことだらけって。まあ、のぞはなんかあったら聞かれる前に言ってくるからさ…
最近2人で遊んだりしてないしな…今週どっか連れてってやろっかな。
「隆ー、昨日の宿題のこれ、教えてくんね?」
「あー、これはね、こうやって_____。」
「さすが、将来有望、い…「おい、結城。」
「悪ぃ悪ぃ(笑)」
「でもほんと隆って頭いいよな、助かったさんきゅー!」

俺は…
「でもさー、りゅうー?親が医者なんだから、お前も有望医なんて、隠さなくてもだいたいみんな予想つくだろー。」
「医者なんてやらないよ。」
「またまたぁ(笑)」
そうだ。俺は、親に敷かれたレールの上を歩くつもりは無い。俺は普通にのぞと、結城と律と一緒に楽しく過ごせればそれで。将来なんて、まだ遠い未来のこと、俺はまだ…
考えたくない。