その視線に気づいたのはなぜだったのか、思い出せない。

私が未練がましく間島を見つめていたからだろうか。


あの日から、私は間島を目で追うことが多くなった。

好きだからというよりも、呼吸をするように、自然と目で追いかけてしまう。

ただ見ていたかった。

好きな人を。

それだけで、ぽっかり空いた心の穴に、幸せが満ち満ちていくようだった。



確かに間島には彼女がいた。

同じクラスの、少し大人しめの、ショートカットの女子。

ある日は、クラスで一緒にお弁当を食べているところを見たし、また別の日は一緒に勉強しているところを見た。

どこをどう見ても、彼氏、彼女。

胸は少しだけ痛むものの、それをどうにかしようという思いはなかった。


しかし、それは、廊下で起こった。