「こんにちは」

琴乃が顔をあげると、そこに立っていたのは潤也

「・・・・・」

「戦う相手、完璧に間違えたよな」

「・・・・・」

「がっくんがさ~ 浮気とかありえねぇんだな~ 」

そう言って、潤也は琴乃の隣に座った

「・・なんで? なんでバレたの?」

「・・・バレたって? がっくんに?」

琴乃は頷いた

「バレてねぇよ? がっくんには・・・」

と潤也

「え?」

潤也の言葉に琴乃は顔を上げた

「誰に何を聞いたかしらねぇけど、がっくんは知らない 知ってるのは俺だけ」

と潤也は琴乃にニヤッと口角をあげて笑って見せた

「・・・・・」

「俺等、あそこの出版社と裁判おこしてさ、ゴタゴタしてんの あの時たまたま俺しかいなかっただけでさ、出版社がね“この写真出さないかわりに和解しろ”って言ってきたんだよね~ でも、あんなの載っても痛くもかゆくもねぇしさ~ 俺が動揺しねぇから出版社側も調べたんじゃねぇの・・ そしたら、なんてことはねぇただの撮影風景だったって話・・・ そこで、ちょっと調べさせてもらったんだよ・・ 君の事」

そう話す潤也の表情は冷たい

「・・・・・」

「君、もう少しいい男と付き合った方がいいんじゃない?」

そう言って潤也は琴乃の膝に封筒を乗せ、手をヒラヒラさせて屋上を後にしたのだった