バタバタもがくから、仕方なく離してみると、顔を真っ赤にしている咲

「大吾~」と呆れ顔の龍馬

「どう? おいしかった? お代わりする?」と俺は龍馬の言葉を無視して咲を見た

「しない!!」

あ~あ・・・ 怒らせちゃったみたい・・

でも、そんな咲もかわいいんだよね

「咲~ ごめんてば~」ソファに座った咲のご機嫌を伺う俺

そんな大吾を見て、カウンター席では、アリと姫花が大爆笑していた

ぶっちゃけ、俺がやきもちとかするなんて、想像すらしてなかった

自分だけ見ていて欲しいとか、あの笑顔は俺だけのもの・・とかさ・・

独占欲っての? そういう欲もあるんだって、咲に会って知った感情

一人の女に満足するなんて、モテない野郎の言い訳だと思ってた

でも、そう思える女に出会えたことって、奇跡なんだろうな~ なんて思う俺ってキモイ・・・




短編集12 【完】

2008.11.14