「咲って、すっげ~かわいいよね 本当に彼氏いないわけ?」

「え? いっ・・いません・・・」

「マジ~ じゃあ、俺、立候補しよっと!」

「え?」

大吾と出会うちょっと前のお話


~:~:~:~:~:


身長も、体重も、顔のつくりも並の私・・

若かりし頃、羽のついた扇子を振り回し、お立ち台で踊っていたという母と、それを見て恋に落ちた元黒服の父

私の両親は今でも派手・・・

そんな両親を見て育った私の性格は、よく言えば控えめ・・悪く言えば・・地味?

いつもと変わらぬ藤田家の朝・・・

「咲~おはよ~  いつも早いわね~」

頭にタオルを巻き、バスローブ姿で母がキッチンに登場

「あ、ママ おはよう」

私の笑顔を見て、ママは「今日もかわいい~」とハグをしてくる

「おはよう お姫様」

パパも起きて来て、私の頭にキスをする

そして、私の背後でママとはあつーいキス・・

娘の前で吐息がもれちゃうキスってどーなのよ・・

でもね・・コレ・・毎日の光景・・・


私は、そんな二人を視界に入れることなく、空になったお皿とカップを洗っていた

「咲・・ 仮にも、高校生なのに、なんで、そんなにスカート長いわけ?」

あ~ また、ママのチェックが入った・・