俺は別に、隣に座っている極上な女に特別な感情を抱いているわけじゃない

こいつは、マジで美少女

なのに、性格も良くて、かなりの友達思い

その上、こんな旨い弁当作るほど、料理も出来て、いい女ってこういう女を指すと思う

そんなにいい女が側にいて、なんで心動かされないかって?

ん~

なんでだろ?

コイツのシスコン兄貴が怖いからか?

いや…違うな

俺がコイツをおとす自信がないから?

いやいや… そんな計算して恋愛しないっしょ?

あ~

わかった…

たぶん、アレだ…

♪♪♪

姫花の携帯がメールの着信を伝えた

メールをチェックした姫花は、クスクス笑い、俺に画面を見せてくる

『 ソッコー行く』

「なにコレ?」

メールの内容がイマイチわからない

「賢次から さっき、お弁当の写メ送った返事 ソッコー行くってさ~ スタジオからどんだけかかると思ってんのかね~」

と姫花はまた笑った

たぶん、姫花は賢次の想いに気付いてない

コイツの中で、仲間と認識されれば、それ以上でも以下でもなく、その位置は変わらない

でも、賢次にしてみたら、いくら相手が俺でも、好きな女が、別のやつとふたりで、女の手作り弁当なんて嫌なんだろう

…なんて考えながらも、俺は休まずパクパク弁当を頬張る

♪♪♪

今度は、俺の携帯がメールの着信を知らせた