「初めまして・・」龍馬さんが右手を差し出してきた

え?

初めましてって・・

そうだよな・・ あんな些細なこと忘れてるよな

「ちょっと本音言われたくらいで、覗きするなんてね~ 」と龍馬さんは笑った

は!

あの時いたのバレてた! っていうか前、話したのも覚えてる?

俺の心のうちを知ってか、知らずか・・

「まっ、前みたいに中途半端な気持ちになったときは、容赦なく落とすから・・ね?」と龍馬さんは、不敵な笑みを浮かべて俺に手を振った

ッ・・・ 俺って知ってて、ハジメマシテかよ・・

「龍馬さん、KINGを一番にするんだって・・ とりあいず、デビューシングルは1位とるらしいよ? あっ、俺、五嶋 臣 よろしくな」

俺は、急に話しかけてきたヤツと握手をした


一番ねぇ・・

何を持って一番なのか、わからないけど、面白くなりそうな予感がした

そして、数ヵ月後、KINGのデビューシングルはぶっちぎりの1位を獲得した

「まっ…最初はこんなもんだろ」

龍馬さんから出た一言に固まった…

マジ、何をもって1番なんだろ…

短編集6 完