「ジンくんて、嘘がヘタだねぇ・・」とりんさんが笑った

「大吾も、龍馬も仕事には厳しいからさ・・ でも、別にジン君たちを嫌ってたり、疎ましく思ってるわけじゃないからさ・・」と姫花さん

「不器用な先輩だけど、よろしくね」ってりんさんも笑ったんだ

相思相愛の彼女もいる上に、こんな女友達までいて・・

一生適わないような気がしてきた


AQUAからの帰り道

「大吾さん、今日はありがとうございました!」

「おー あいつらも楽しかったんじゃねぇの?」

「・・大吾さんと龍馬さんのパワーの源・・ かなり羨ましいです」

「は?」


容姿がいいと、中味をなかなか見てもらえない

その上、こういう仕事をしている分、色んな裏を抱えて近づいてくるヤツもいる

そんな中で、中味を見てもらえ、なおかつ理解してもらえて・・

彼女でもない、友達という存在は・・・

たぶん、いや・・一生モンだ

俺も、そんな仲間・・今から作れるかな?

「ま・・あれだな・・ 求めるだけじゃだめだ 相手に心を開いて欲しければ、先ずは、自分が心を開け・・偽るな そっから始まる」

大吾さんはそのままタクシーを拾って帰っていった

なるほど・・・


短編集 5 完