姫花はそれ以上、カキ氷を口にしようとせず、日向は横にカキ氷を置き、そのまま花火を堪能して二人は帰ってきたのだった

その日の夜、姫花とりんが寝た後にガクと日向はリビングにいた

帰ってきてからも日向は姫花の腐っている発言が腑に落ちなかったので、ガクにカキ氷の話をしたのだった

「あ~ それは、姫花の味覚の問題だな」

とガクは当たり前のように言った

「味覚? じゃあ、本当に腐っていたってこと?」

と日向

「まさかっ! 姫花は氷の味が気に入らなかったんだよ」

というガクは笑っている

「氷の味?」

日向は眉をしかめた

「そう 姫花にとってのカキ氷は、アラスカで食べたカキ氷が全て 北極から切り取られてくる氷河のカキ氷だよ 姫花はそれしか食べたことがないから」

「・・・・なるほどね・・・ はぁ・・ わかったよ・・」

日向はガクの話を聞き、リビングを後にした



そして、数週間後

残暑厳しい9月半ば、AQUAの地下では、日向が取り寄せた氷でかき氷を堪能する姫花の姿があったのだった

そして、そのおこぼれに授かったアリとジェイソンは氷河の氷でウイスキーのロックを堪能したそうな・・

短編集18 【完】

2009.2.9


      ー Another 姫★組 - 【完】