そして、次の瞬間、力なく、再び椅子に座り込み

「はい、はい・・ そうします じゃあ・・・」

とため息をつきながら携帯を切ったのだ

「・・な、何? 何かあった?」

心配そうにガクを覗き込むりん

「・・・・乗り遅れた・・・」

「は?」

「飛行機・・今離陸したらしい・・・」

時間がないのに、ここにどうやって入ろうかと駐車場でかなりの時間を潰したガクは見事に飛行機を乗り過ごしたのだ

「・・・どうするの?」

「直行便が今日はもうなくて、他の空港経由のならあるらしいけど、満席らしいから・・明日の便になった」

これで、ガクは仕事に1本穴をあけてしまったことになる

「・・・・・・」

誰よりも仕事に対して真面目なことを知っているりんは、落ち込むガクに掛ける言葉がない

「よしっ!」

急に立ち上がったガクに驚くりん

「やろうぜ! ピッチング練習!! ウジウジしててももうどうしようもねぇからさ」