「はぁはぁ・・・・」

車を飛ばし、ガクは山の手球場のある、山の手公園内を全力疾走中!

姫花の‘独り言’を聞いて飛び出したリビング

試合開始まで、時間があるので公園内にはまだ人はそんなにいない

まてよ・・・

イケメン投手とやらにピッチング指導をしてもらうのは、ここじゃない!?

焦るあまり、何も考えずにここまで来てしまったが、ここにりんはいるのか?

その時、おしりのポケットで携帯が震えている事に気がついた

「・・・はい・・・」

息を整えながら電話に出る

「アニキ? 焦りすぎだって・・ 今どこ? 運転中?」

「いや・・・」

「まさか・・ もう山の手公園とか?」

「・・・・・」

「はぁ・・・ 試合開始まで時間あるのに、そんなトコにいるわけないでしょ? りんは、多摩川の球団のグラウンドにいるはず・・ でも、アニキ、仕事に穴あけないでよ? 多摩川から成田までどれだけ時間かかるか、ちゃんと計算してよ? じゃあね! 」

姫花はそう言って一方的に電話を切った

「・・マジかよ・・」

ガクはそう言って、駐車場に向って再び走り始めた

ココから多摩川まで、高速で順調に走ったとして、1時間・・帰りは、成田まで・・3時間? 首都高が渋滞していないわけがない・・ 間に・・合うのか?

ガクが不安になりまがらも、エンジンをかけ、りんのいる多摩川へ向って車を走らせた