「今回はいつまで?」

大倉家のリビング

「1週間くらいかな・・ ひとりで大丈夫か?」

「子どもじゃないんだから、平気だって・・ アニキは本当心配症なんだんだね」

と姫花はガクにコーヒーカップを手渡した

「・・・子どもじゃね~から心配なんだけど・・」

とつぶやいたガクの言葉は姫花には届かず・・

「ね~ こっちのお店とこっちのお店どっちが良いかな?」

ガクの気持ちなんぞつゆ知らず、姫花はガクに店のパンフを二通差し出した

両方のパンフをチラッと見たガクは

「どっちもかわんね~んじゃねぇ?」

と興味なさ気にパンフを机に置いた

「だよね~ 気にするほどでもないか?」

と姫花はパンフをそのままゴミ箱に放り込んだ

「何をそんなに気にするんだよ?」

「たいしたことじゃないんだけど、AQUAの近くにOPEN予定なんだって・・ 客足がそっちになびかなきゃいいなって思ってさ~ パパとママには報告しといたけど」

色々なところにアンテナを張り巡らせているガクだったが、これは初耳で・・

「は!? 」

手に持っていたカップを思わず落としそうになる

「アニキが知らないなんて、なんかあった?」姫花は動揺しているガクを心配そうに見た