次の日の朝。
博紀は、通学路を少し早足になりながら歩いていた。
いつも見慣れているこの風景も、今日に限っては輝いて見える。
おそらく口元も緩んでいるのかな、博紀はそう感じていた。

ふと横を向くと、いつの間にやらすぐ隣に恵子がやってきていた。
何か話しかけてきているが、あいにく今日は返事をする気分にはならない。

早く新しい小説を読みたい。

その気持ちに頭が占領されてしまっていた。