新年度が始まり、一週間が経った。

博紀の予想通り、山本先生は女子生徒の注目の的となり、毎日取り囲まれている。
礼儀正しく、腰も低く、顔も良くて運動もできる……うん、モテない筈がない。
正直、少し羨ましい気もするがあそこまでは勘弁である。

ちなみに山本先生、未だに独身なんだとか。
いわゆる『独身貴族』ってやつなのか。
博紀にはその気持ちはよく分からなかった。