ペンダント~夢からわかる過去の真実~






「名前、なんて言うんですか?」


そう言ってしまってからすぐに後悔した。


これじゃああの人に私が好意を持っているって勘違いされちゃうじゃん!


馴れ馴れしいにも程がある...!


男の人もきっと顔をしかめているに違いない。


「ご、ごめんなさい。いまの忘れ....」


「悠真」


「....え?」


顔を見るのが怖くて下を向いたまま言った私の言葉を、その人は遮った。


っていうかいま....なんて?


「だから、俺の名前は蓬田 悠真だって言ってんの」


恐る恐る顔を上げるとその人はめんどくさそうな顔をしてそっぽを向いていた。



蓬田 悠真....



(....だれ?)


名前を聞いてもピンとこないのは夢の中の男の人の名前を知らないからだ。


いや、名前を聞いといて だれ? は失礼すぎる。


私と蓬田さんの間に沈黙が流れる。


なんて返そうか困っていると蓬田さんから沈黙を破った。


「なぁ、本当にもういい?学校に遅れるし」


そこまで言われて気がついた。