ペンダント~夢からわかる過去の真実~







「春がいちばん悲しがってた

いままでずっと一緒だった桜がいなくなったって、毎晩泣いてた」


春...。私が記憶喪失になってしまったから..。


春に辛い思いをさせることになってしまった。




「でもね、桜を手放そうって最初に言ったのは春だったの」


「春が...?」


「そう、もう医師から記憶は完全に戻らないって言われていたから、いくら私たちが本当の家族だったとしても桜にはわからない。私たち家族の記憶がない桜を今まで通り接していくのは、勝手なことだけど無理だった。だから、もう桜には新しい道に進んでもらおう。私たちも桜のことは忘れようって」


「....」


「でも、無理だった。忘れられなかった。当然よね、忘れようとしても家族ですもの。誰の手に桜が渡ろうとも私たちが本当の家族なんだから」