「桜の君様、若草の君様、及び藤一条の方様の女房、和泉の君でいらっしゃいますね。」

相手の少年はニコリと笑っている。

「これを。花の如くくるくると働いていらっしゃる和泉の君へ。」

文を渡されたが、和泉には、何が起こったのか、分からなかった。