そうだね、と貴久は細々しくも、穏やかなお声で仰り、そのまま、安らかに永い眠りにつかれた。

「貴久、さようなら。また逢いましょう。」

既に息絶えた貴久を、姫君は抱き上げて、そのまま、貴久の生活されていた対の屋に戻された。

(母様、ついに、貴久が死んでしまいました。その後は、前に貴久が死んだ後の通り。哀しいかな。)