それを聞いて、瑠莉はギョっとしてしまった。

それを言った中の者は、常磐から見ては美しかった。
その人は、彼の忍であった。

(また、逢えるかしら………逢いたいわ。そうだわ、私、今度から出仕するのだった。懸命に探せば、きっと-)


「姫様ったら、如何されたのかしら。あれからずっとあの御様子。月を見ては、溜め息をつかれて。」