夏樹は自宅のアパートまでの道のりを、とぼとぼと歩いていた。
頭がガンガンする。
(何で『好き』な気持ちだけじゃダメなんだろう…)
自分が雅耶を好きな気持ちは変わらないのに。
本当は、それだけで十分な筈なのに…。
なのに、何故…こんなにも胸が痛むのだろう?
(早乙女さんは、女の自分から見ても本当に魅力的で…)
到底、かなわない。
自分は、あんな風にはなれない。
未だに中途半端で、男勝りで、気も利かなくて…。
どうしたって劣等感しか感じない。
(当たり前だ。お前はこの前まで『冬樹』だったんだから…)
雅耶だって、あんな人に好意を向けられたら嬉しいに決まってる。
どう見たって、お似合いの二人。
(胸が、痛くて苦しい…)
こんな自分は嫌なのに。
こんな弱い自分なんて、いらないのに。
何故だか涙が止まらなかった。
直純は夏樹の姿を探していた。
店を出て、わりとすぐ追い掛けた筈なのに既に夏樹の姿は周辺にはなく。
店のある駅前裏通りを抜け、既に住宅地へと入って来てしまった。
静かな住宅街は人通りも少ない。
月明かりに照らされて電柱の影が寂し気な道路に伸びていた。
その先の薄暗い場所に、ひとつ人影が見えた。
電柱に手をついて俯いている、その後ろ姿は…。
「夏樹…?」
直純は傍へと駆け寄ると、その細い肩に手を掛けた。
途端に、ビクリ…と震える身体。
「…大丈夫か?どこか具合が悪いのか?」
優しくその背を支えるようにすると。
「…なお、ずみ…せんせ…?」
ぼろぼろと涙で頬を濡らす夏樹がそこにはいた。
頭がガンガンする。
(何で『好き』な気持ちだけじゃダメなんだろう…)
自分が雅耶を好きな気持ちは変わらないのに。
本当は、それだけで十分な筈なのに…。
なのに、何故…こんなにも胸が痛むのだろう?
(早乙女さんは、女の自分から見ても本当に魅力的で…)
到底、かなわない。
自分は、あんな風にはなれない。
未だに中途半端で、男勝りで、気も利かなくて…。
どうしたって劣等感しか感じない。
(当たり前だ。お前はこの前まで『冬樹』だったんだから…)
雅耶だって、あんな人に好意を向けられたら嬉しいに決まってる。
どう見たって、お似合いの二人。
(胸が、痛くて苦しい…)
こんな自分は嫌なのに。
こんな弱い自分なんて、いらないのに。
何故だか涙が止まらなかった。
直純は夏樹の姿を探していた。
店を出て、わりとすぐ追い掛けた筈なのに既に夏樹の姿は周辺にはなく。
店のある駅前裏通りを抜け、既に住宅地へと入って来てしまった。
静かな住宅街は人通りも少ない。
月明かりに照らされて電柱の影が寂し気な道路に伸びていた。
その先の薄暗い場所に、ひとつ人影が見えた。
電柱に手をついて俯いている、その後ろ姿は…。
「夏樹…?」
直純は傍へと駆け寄ると、その細い肩に手を掛けた。
途端に、ビクリ…と震える身体。
「…大丈夫か?どこか具合が悪いのか?」
優しくその背を支えるようにすると。
「…なお、ずみ…せんせ…?」
ぼろぼろと涙で頬を濡らす夏樹がそこにはいた。



