私は水谷紗奈。
日高水城高校の2年生。
私には、2人の兄がいる。

1人は、同じ高校の3年生の崎野弘樹。
もう1人は、日向秘跡大学の4年生野崎湊。
私は、高校に入るまで2人の本当の苗字を知らなかった。
私が小学校4年生のときに両親が離婚して、私達は母のほうに住むことにした。

4人で楽しく住んでた。それが、ずっと続くはずだった...
母は、突然倒れた。原因は脳卒中だ。
そのころ私は遠足でBBQを楽しんでいた。
先生が私の名を呼び、「お母さんが倒れた...。意識がないって...」と言ってきた。
正直、よく分からなかった。なぜ、そんなことになったのか...

意識がない?お母さん死んじゃうの?
悲しみと恐怖が襲ってきた。

病院に行った時にはもう遅かった。天国へ行ってしまったのだ。
なにがなんだかわかんなくなっていた。
枕元に手紙が置いてあった。
「紗奈へ
この手紙をあなたが読んでいることはお母さんはこの世にいないのですね。
今まで、お母さんはあなたに隠していたことがあります。それは、お兄ちゃんたちと血が繋がっていないことです。
お兄ちゃんたちは、親戚のところから引き取ってきた子達です。
そのことを伝えたかったのです。お母さんがいなくても強く生きてください。お兄ちゃんたちを頼ってください。
今までありがとう。
母、美智子より」

衝撃だった。繋がっていないんなんて...
お母さんがいないことが信じられなかった...
涙が溢れて止まらなかった。