「なんか言った〜?」


「何もないからじっとしてなさい」


「え〜」



どうやら梨奈子には聞こえていなかったみたいで。



「このあと自由行動だよね?どこ回る?」



もうすでに疲れたような表情を見せる紗枝の腕を引っ張って聞いてみた。

紗枝は、うーん…と考え込んだあと、



「あんたはどっか行きたい所ないの?」


「ん?俺?」



誠治に訊ねた。

誠治は暫く考えたあと、パンッと手を鳴らして、



「俺、ラーメン食べたい!」



満面の笑みでそう言った。



というわけでーーー



「さっきマップ貰ったから、俺に付いてこいよ!」



誠治に率いられるまま、私たちは後について行ったのだった。