「遥香ぁ〜!」


「紗枝!早いね!」



今日からいよいよ、修学旅行だ!!

手には大きなスーツケース!
背中にはリュック!

紗枝は飛行機に向かうバスの入口の前で私を待っていてくれた。


足早に近付くと、梨奈子の姿が見当たらない。



「あれ…?梨奈子は?」



キョロキョロ辺りを見回しながら紗枝に訊く。

紗枝は、はぁ、とため息をついて、



「寝坊だって。集合時間には間に合うらしいけど」


「…梨奈子らしい」



集合時間まで残り15分くらい。