か・て・き・ょ♥️

このまま二人を見ていたら、涙がこぼれそうになって、私は急いで別の道から家へ向かって走った。















ピンポーン


午後4時。

いつもの時間だ。

佐野先生が私に勉強を教えてくれる時間。



でも今日はーーー



「……出たくない」



嫌でもさっきの光景がフラッシュバックする。

私はベッドの上で1人で頭を抱えていた。



もう、佐野先生に会いたくないーーー



でも、お母さんはそんな事なんてつゆ知らず。



「あら、時間ぴったりですね、先生」



笑顔で彼を迎えてしまうのだ。


私はこんなにも会いたくないというのに。