「………すきだ」


「………っ!!!!」



それはあまりにも唐突だった。

私の耳元で。

甘い声で。




私は、私はーーー




「…私、佐野先生がすき」



先生の腕の中で呟く。

自然に涙が出てきた。



ずっともやもやして胸の奥に突っかえていたものが無くなった気がした。




私は佐野先生の事が好きだったんだ




ようやく答えを見つけることができた。


これを世間では『恋心』と言うのだと。




その後、私と先生は時間の流れにまかせるままに、しばらくの間抱きしめ合った。