ある日、友達と水泳部の見学に向かった。


ここのプールは屋内にあるため、年中泳ぐことが可能なのだ。


プールサイドに足を踏み入れると塩素の懐かしいにおいがした。


そして、プールに目を向けた時、私は今までの人生で見たこともないほど綺麗な飛び込みを見た。


そう、それが私の忘れられない人である1歳年上の前田 瞬(マエダ シュン)との出会いだった。


私は数秒間息をするのを忘れていた。


泳ぎもすごくきれいで、本当に私と同じ人間なのだろうかと疑ったほどだった。


そう、私はこの瞬間に彼に一目ぼれをしたのだ。


顔も見えない泳ぎしか知らない彼に。


もっと見ていたかったけど、その後部長に話しかけられてしまったのでそれ以上は見られなかった。


もともと水泳部に入部する予定だったけれど、もう全く迷いはなかった。