高校に入学して2週間が経った頃、クラスの話題は部活で持ち切りだった。


この高校では部活入部が必須だったのだ。


中学からの部活を続ける人、中学とは違う部活を始める人、どうにか部活入部を免れられないかと頭をひねる人、みんな楽しそうだった。


私は中学で水泳部に所属していた。


それまでスポーツとは無縁な生活をしていた私は、中学に入ってスポーツを新たに始めたくなったのだ。


いろいろ考えた後、集団スポーツは周りに迷惑をかけると思い、個人スポーツである水泳を選んだのだ。


最初は全然泳げなかったけれど、優しい友達や先輩に囲まれたおかげで、地域では入賞できるほどにまで成長できていた。


そしてこの高校に入学したとき、水泳部に入部予定だという友達からここの水泳部は緩くてみんな仲がいいということを聞いて、私は高校でも迷わず水泳部への入部を決めた。