ジリリリリリリ
目覚まし時計の音で目が覚める。
「美空〜起きなさい!今日は初登校の日でしょう〜」
下の階から母の呼ぶ声が聞こえてくる。
うるさい目覚まし時計を止め、無言で起き上がる。
そしてカーテンを開け小さくため息をつく。
私、神崎美空は今日この日高校1年として登校する。
しかし私は乗り気じゃない。
私が通うことになった入江谷高校は私立の高校。私の家は父が幼い頃に他界しているため母子家庭。経済的に余裕は全くない。そんな生活の中でなぜ私立に通うことになったのか。そう、私は高校受験に失敗し、滑り止めで受けたこの学校に入学することになった。
私が受けた本命の高校は県内でも1、2を争う進学校だ。