「またかよ!」

「いい加減にして欲しいね。こないだも事故があったばかりだのに」

「あれ確か市の職員だったよな」

「田中とか言う名前だったような気がするけど・・・・・」

後輩の田中は、祐一に内緒で、京子とのメールのやり取りをやっていたのだ。
同じように京子を愛していたのだ。
一緒になれるために、列車に飛びこんだのだ。
隣のホームでベンチに座っている30代の男性が、人身事故に気がつかずに、
一生懸命にメール送っている。

―可愛い顔ですね タイプですよ 好きになりましたー

メールを送った後、待ち受けの写真が田中京子の顔だった。

―私も好きです ずっと一緒にいようねー