涙が出た。ひょっとするとあの事は、全て夢であり、あのままホテルに残っていたら本当に京子と結婚できたかもしれない心のどこかで思っていた。


「もし会えたらどうします?」

「まあそんな事は無いですよ。携帯もホテルに置いてきたので京子とも連絡が
取れませんし、でもどんな人か知りたい意味では会ってみたかったですね。」
100kmを超えるスピードでタクシーは京都に近づいた。

「そうですか?」

運転手の携帯からメールの音が流れた。
一瞬、ドキッとした。また京子からメールが来たのかと思った。

「息子からのメールですよ」

「そうですか?」ホッとした。

「見ますか?」

運転手の携帯を取りメール内容を見た。