「そうだったんですか?」タクシーの女性運転手がうなずいた。

「まあ、夢なのか?現実なのか?わからない話ですね。」

「でもそこまで好きだったからわざわざ滋賀まで来たんですよね?」

「いや、なんとも言えませんが、今、考えればそうかもしれませんね。」

「なんか切ない恋愛話ですね。」

「本当の気持ちは、今でも京子に逢いたかったかもしれませんね。
あれだけ好きになったのは初めてです。こんな事が無ければ結婚したかったですね。今の仕事を辞めて滋賀県でずっと京子と住んで暮らしたかったです。」