無理な事も何とか自分でやるので、いつも上司と争いしていた。

「なんで駄目なんですか?」

「駄目な物は駄目!」

「それじゃ公平じゃないでしょ?」

「だから駄目な物は駄目なんだよ」

「なんで?だから市民に役所の人は頭固いと言われるんですよ!」

「しょうがないだろ?一応、書類そろってないと出せないんだから」

「わかりました。」


年金課のカウンター越しに老夫婦が待っていた。

「田中さん、どうでした?何とかなりませんか?これが出ないと私達、
生活ができなくなるのです。」

「すみません。僕の力不足で・・・・・もう一度、出来るかぎり僕が、
課長に相談してみますから・・・・・・」

「ありがとうございます。」