「仕事じゃなく、いろいろありまして・・・・・・・・・」

「いろいろ?」

「まあ、あまりいい話じゃないし・・・・」

「少しの時間ですが、私で良ければ、お聞きしましょうか?」

「・・・・・」


「まあ、嫌な事あれば、誰かに喋る事で気が収まるでしょ?」

あの出来事を早く忘れたかったが、つい話し上手の運転手に話せば、全て忘れられると
思って今までの事を語ったのだ。

「そうだね。楽になるかも知れませんね」

「そうですよ、気にしていたら、駄目ですよ」

やけに明るい運転手の言葉が、気を楽にしてくれた。