「すみません。京都駅までお願いします。」

「京都駅なら電車の方が早いですよ。」

「いいんです。
タクシーで行って
ください。一番早いルートでお願いします。」

「一番早いルート
なら大津京駅を
超えて皇子山からの西大津バイパスを通るルートですね。
それでいいですか?」

「はい」

ルートわからなく
運転手に任せるような返事をした。
タクシーは、京都駅に向かった。通常、電車なら10分
ぐらいで京都まで
着くが、誰かと一緒にいたかったと言うか、落ち着くために、京都駅まで
ゆっくりとタバコが吸いたかったのだ。運転手が言うルートは、京都に早く出るには、一番に早い道なのだ。
でもタクシーなら
京都まで30分
ぐらいは、かかってしまう。バイパスは、交通量が少なく、平気で120km
以上を出している車は多い。
やっと東京に帰れる気持ちが出てきたので、ホッとして一本のタバコを取り出して、火をつけた。

「すみません。お客さん、車内禁煙は、なんですよ。」

いつもタクシーに
乗った時、疲れた心を癒す為にタバコを吸っていたのだ。

「あ~ そうなんだ~」