頭を触られると無意識に眠くなってきそう。
「さすが女ったらしは慣れてるねー」
「違うってのー。
年の離れた妹がいるから慣れてるだけ。
妹以外にはしたことないって」
「……ふーん」
なんか、そう聞いたらちょっとだけ優越感に浸れる……かも?
少し失礼な話、こんなこと誰にでも毎回してそうなイメージだったし。
「……どうしてあたしがあそこにいるって分かったの」
ピクリ、太雅の手が止まった。
私が太雅に言ったのは会うという事実だけ。
待ち合わせ場所のことは言ってないし。
「実は……
帰ってる時、長崎見てさ。
那菜がいなかったから何してんのかと思って見てたら……
別の女といた」
「……そう」
来ないということは半ばそうなんじゃないかと思ってたけど。
まぁ今回も見事にやられたわけだ。
信じたいとか、これで最後にすると言っていた自分の見る目が無さすぎて馬鹿みたい。
「だからムカついて一発殴って待ち合わせ場所聞き出し……」
「ちょちょちょ!
そんなことしたのっ……!?」
「一発じゃ足りなかったけどな」
「……いや、そういうことじゃなくて……」
長崎くんを殴る太雅も想像出来ない……。
どっちかと言えば穏和なタラシだからね、太雅も。
「那菜も健気に待ちすぎ。
5分、いや1分でも遅れるような男は即振ってやれ!」
「……そんな極端な……」
「オレなら絶対遅れない自信があるから言える」
太雅のそんな台詞も……
沢山の女の子に送ってきたものの使い回し?
気付けばまたそんなことばっかり考える自分が嫌だ……。
「もう……本当に懲り懲り」
なんで?
どうして?
私はどこを直せばいいのだろう?
どうすれば……一途に愛されるの?



