誰も信じなくて。

裏切られても哀しくも辛くもないように。


これから先の人生出会う全ての人に……

別れは決して拒めない。


それなのに……

そうだとしてもまだ私は……


きっとあなたと共にいたいと願う。


こんなこと……

もう誰にも一生思うことは無かったというのに…────────







【With*You】










また、アイツが私のパーソナルスペースでもある屋上へやって来る。


それはいつもと何ら変わらない、日常。




「よー、那菜。
んなゴロゴロしてるとあっという間に太んぞ~っ」


「余計な一言っていうんだけど、それ」





何かと私に絡んでくる奴の名前は紫園太雅。


2年生になった今、同じクラスになった。



フワフワした猫っ毛の茶色がかった髪に、一重なのに存在感のある栗色の瞳。


形の整った鼻に、唇。


モテない方がおかしい要素てんこ盛り。


実際めちゃくちゃモテている。



軽くて女の子大好きで、女ったらしでそれから……





「あともう来ないでって何回も言ってるんだけど」


「それは無理だなー。
那菜に構いたいから?」


「鬱陶しい」


「ひでーのー」





とにかく女の子大好きで彼氏にするならば信用ならない奴なのだ。