きみは風のようだった




私は親が亡くなってから、それ以上の悲しみはないと思ってるから。





爽桜に泣きつくことはなかったし、


十年近く泣いていない。







「なら、なんでそんな顔してるの」





私今どんな顔してる?




きっと冷たい顔。





「苦しそうな顔してる。」





「苦しくなんか…ないよ」






「そら、俺はなんのためにいるの?」






「え?」






「俺の前ぐらいは、素直になってもいいんじゃない?」