優しい魔女は嘘をつく


「もう、飽きちゃったな」





私がポツリと呟くと、「何が?」と堂本くんが首を捻った。



なんでもないよ──そう言って誤魔化したかったけど、どうしてか、今の私はそれができなかった。





「透明になったら、もっと……楽しいことがあると思ってたのに」





聞いてくれているのか分からないけど、堂本くんは黙って台本を捲っていた。




今までに、一人で消えて逃げ出したいと思った時が何回もあった。



でも実際、それが本当の気持ちだったのかが、自分でもよく分からない。




本当はこんなこと、望んでなかったんじゃないかって。冗談半分だから、そう思えたんじゃないかって。





私がこうなると分かって、「魔女」は私に魔法をかけたのだろうか。



……だったら「魔女」は、意地悪だ。