まさか、高校になってもシンデレラを知らない人がいるなんて思ってもいなかった。
それもよりによって、堂本くん──″王子″役が、知らないなんて。
私はなるべく簡単に、シンデレラのあらすじを説明することにした。
シンデレラは舞踏会に行きたいけど、姉に「行くな」と言われて、掃除当番を任された女の子。
舞踏会の夜に「魔女」が現れて、シンデレラは魔法をかけられる。
シンデレラは舞踏会に行き、王子と踊ることができたものの、夜の十二時になり魔法が解けて、元の姿に戻ってしまう。
最後は、去り際に落としたガラスの靴のおかけで、王子が探していた人がシンデレラだと分かって、二人は再会。
それから幸せに暮らしましたとさ…………と、そこで、物語は終わった。
「ふぅん。まぁ、台本見りゃ全部分かるんだけどな」
ひととおり話し終えた後で、堂本くんが台本をペラペラと捲りながら呟いた。



