優しい魔女は嘘をつく


「俺そんなに弱くねぇし。あれは貧血で倒れただけ」




良かった。



……いや、倒れるなんて普通じゃないけれども。どこも打ってないようだし、とりあえず良かった。



私があんなところにいなかったら、そもそも堂本くんが近づいてくることも無かったかもしれない。



その点は……私が謝らなきゃいけないんだけど。





「……そっか。心配して損した」






ため息と共に、そんな言葉がポロリとこぼれた。



それからしばらくの沈黙の後、「ん?」と私と堂本くんの声が重なる。



えっと、私さっきなんて言ったっけ?




心配して損した。

心配して、損した。




………………心配して!?