優しい魔女は嘘をつく


「私じゃなくて……初美が、教えてくれたんだよ」







そう伝えると、堂本くんが驚いたようにこちらを向いた。



堂本くんが聞きたいことはなんとなく分かっている。




「なんでお前がいたんだよ」……たぶんこれ。絶対にこれだ。




心配だったから、なんて言ってもどうせ「気持ち悪い」で返されるから、なにも言わないでおこう。




咲良にはお礼を言うくせに、私だと知ると鋭い目付きになってこちらを見る堂本くん。



人によって態度を変える、ってこういうことを言っているんだろう。




二人に見られて恥ずかしくなってきたので、私は時計を指差してすぐさま話題を変える。






「そ、そんなことより咲良、早く行かなきゃ部活の先生に怒られるよ?」