優しい魔女は嘘をつく


授業が終わり、SHRが始まる頃には、堂本くんも教室に帰ってきていた。




咲良にさっきのお礼を言おうと思ったけど、授業中だったから邪魔できなくて、言えなかった。



先生の話が終わって号令がかかり、いつ言おうかな、とそろそろ思い始めたときだった。




「木越」




堂本くんが咲良を呼んだので、私は驚いて二人を交互に見ていた。





「……さっきのことで」



「えっ、あ」



「……ありがと」





ぼさっとお礼を言う堂本くんを、私はポカンとしながら見ていた。




堂本くんがまさか、お礼を言うなんて思わなかったから、言葉が出てこない。



同じく固まっていた咲良だけど、すぐに「あ、あ、えっとね」と口を開く。