優しい魔女は嘘をつく


授業が終わるまで、私はぼぉっと外を見ていた。



目の前の席が空いているせいだろうか。心なしか、視界が広くなった気がした。



黒板がよく見える。先生の授業も聞こえるのに、なんだか意味がないように感じた。




私が″透明″になったってことを、先生や他の生徒は知っているのだろうか。



知っていたとしたら……私がいなくなっても、クラスメイトが落ち着いている理由が分かる。



でも、そしたら皆が、「魔女」の存在を知っていることになる。






この学校には「魔女」がいます。


「魔女」は私に魔法をかけました。


だから私は今、透明人間です。






唐突にこう言われて、人はすぐに理解できるものだろうか。



私だって、魔法をかけられたって知ったときに、最初は誰かのイタズラだと思ったのに。