優しい魔女は嘘をつく


後ろから近づいてくるであろうそれに、私がごくりと息を呑んだときだった。





──バタン!






え?




足音が止み、聞こえてきた大きな音に、ビクッと肩が跳ねる。



驚いて振り向くと、床に堂本くんが倒れていた。





「え?え!?ちょ、堂本くん!?」





理解が追い付かず、慌てる私。な、なななななんでこんなことになってるの!?




「大丈夫!?しっかりして!」




しゃがんで声をかけるけど、いつになっても返事がない。パニックになって、私は保健室を飛び出した。




そうだ、とりあえず先生を呼ばなきゃ!