優しい魔女は嘘をつく


「……そっか。そうだよね」





昨日もそれで食べられなくて、お弁当は結局持ち帰ったんだっけ。



朝食べ過ぎるのもよくないんだけど、最近、朝はやたらとお腹が空いているから仕方がない。





「あ、それより。咲良って、私が″透明″だって知ってるんだよね?」



「え?あ、……うん」



「堂本くんも私のこと見えてるって、知ってた?」



「え!?そうなの?」






驚いて声をあげた咲良を見て、思わず笑ってしまった。



私の前の席の堂本くんと、その隣の席の咲良。



近くにいる二人が、たまたま私のことが見える。これって運命なのかなぁ。





それとも、「魔女」がなにか仕組んだんだろうか……。