そんなことを考えていたら、ガラ……と小さく戸が開いた。



私を含め、反射的にそちらを向くクラスメイト。そこにいたのは、咲良だった。





咲良は無言で小さく頭を下げて、自分の席に向かう。



そこでふと、咲良の目の縁が、赤く腫れていることに気づく。





咲良、どうしたんだろう……。




不思議に思って、しばらく教室の中の様子を見ることにした。


そしたら心なしか、楽しそうにお喋りをしているクラスメイトも暗い顔をしているように見えてきた。






この暗い感じはなんなんだ……。





そんなことを思ってたら、静かに教室に誰かが入ってきた。




乱れた服装に、明らかに染めたであろう茶髪の髪。耳についていた何かが、太陽の光で反射してキラリと光った。