優しい魔女は嘘をつく


「色々と事情があるんだよ」





どうでもいいと言った風に堂本くんが呟いて、机に伏せた。




酷い。ちょっとぐらい相手してくれてもいいのに、なんて思ってしまうのは、どうしてだろう。




寂しいような嬉しいような。……″透明″になるってことは、こういうことなのかな?




よく分からない感情に支配されながら、私は色々と考えていた。




まぁ、でも、透明なわけだから、何をしても気づかれないんでしょ?



堂本くんと咲良は例外だけど。みんな私のことが見えてないんだから。



るんるんしながら色んなことを考えていると、いつの間にか堂本くんは眠りについていた。



スースーと、寝息が聞こえてくる。





私も安心して机に伏せているうちに、また眠気に襲われて眠ってしまった。