あぁ、なんで俺、泣いてんだろうな。
うっとおしいヤツだって思ってたのに。最初はしつこくて、あんなにも嫌いだったのに。
誰が、怒るかよ……。
風が吹いて、涙をさらっていった。
消え入りそうな声で言うと、その文字をなぞった。
駒森にしか消せなくて、俺にしか見えない文字。
いや、もしかしたら、見れる人もいるかもしれない。霊感が強い人とか。
幽霊が他にいれば、そいつに文字を消してもらうことだってできる……でも…………。
駒森はいない。だからこれは、永遠に消えない。
俺を、困らせてんじゃねぇよ……。
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