優しい魔女は嘘をつく


駒森は、そんな俺を変えた。




勝手に人の心の奥まで入り込んできて、最初はなんだよこいつ、って思った。




でも、一つでも自分の弱味をさらけ出したら、もう全部こいつに教えてもいいんじゃないか、って思うことができた。




甘いものが好きで、でも見た目が不良。おまけに変な噂つき。

それでも駒森は気にしなかった。





俺を笑ったり、馬鹿にしたりしなかった。







なのに俺は最初、自分のことが他の奴らにバラされると思って、駒森にあんな態度をとった。







『最低だな』







たったそれだけのことで、駒森はどれだけ傷ついただろう。