優しい魔女は嘘をつく


それも、槙本が直接駒森と接触することを避けて、だ。





いつバレるかも分からないし、ハードルが高いのも承知の上だった。



でもまぁ、俺が隠していてもいなくても、俺にはあまり関わりがないことだし…………なんて。








あの時の俺は、そんな軽い気持ちで引き受けたんだっけ。






関係ないことだから、って。


駒森と俺が、全然話したこともなくて、別に過去に何か接点があった訳でもなくて。



特に関わりもないから、って。






今思えば……あの時、それでも槙本に協力した俺は、我ながら良くやったと思う。





だって、あの時もし俺が断っていたら、今ここに俺はいなかったかもしれないんだ。